震災・原発事故は、福島の豊かな自然、農林水産物、里山、海、伝統文化などに大きな影響を及ぼしました。“当たり前の日常”を取り戻すために挑戦し続ける人々や地域との出会いは、復興の現状や課題を体感するだけでなく、新しい価値観の発見や新たな人生観の芽生えに繋がります。

教育旅行の体験談

多くの高校生に「福島の今」を体験してもらいたい

[ 筑波大学附属駒場中・高等学校の教員 ]

ひとつの問題が様々な側面を持ち、意見の対比が存在する。その事実に直に触れ、生徒は頭をフル回転させたことでしょう。また、ヒューマンへの踏み込んだ質問など、生徒の熱心な姿勢には心強さを感じました。フィールドで学ぶことの重要性、現地へ行くことの大切さ、学びの深さを体験させてくれる貴重な今回のツアー。ぜひ、多くの高校生に「福島の今」を体験してもらい、社会のあり方について考え深めて欲しいと思います。

生徒たちの心を動かす出会いがある

[ 灘中・高等学校の教員 ]

たいへん濃密な3日間でした。 普段目立たないタイプの生徒が、真剣にグループ討議に参加して意見を述べる姿が印象的で、教室の外で心動かされることがあると、こんな姿を見せるのかと驚きました。福島には、苦境の中で地域をよくするために奮闘している大人・若者が多く、人格教育としても得るものが多いです。生徒もこれからの福島と、自分の生き方について、よく考えてくれたと思います。

未来の主権者が向き合う課題と学びのスタートライン

[ お茶の水女子大学附属高等学校の教員 ]

多様な立場の多様な意見。感受性が強い10代の生徒が、現地でお話を聞けたことは、これからの人生に大きな影響を与えたと思います。未 来の主権者たちが、エネルギーや環境にどう向き合うのかを話し合い、どんな国をつくるかを考える、貴重な機会でした。今回学んだことが、数年後に意味を持ったり、新たな捉え方ができることがあると思います。この学びは、3日間で終わりではなく、まさにここからスタートだと実感しました。

これからの時代に必要な学びが福島にある

[ 埼玉県立不動岡高等学校の教員 ]

生徒がアクティブラーナーとなり、主体的な学びができました。この3日間 、福島 の葛 藤を見せていただきました。物事はひとつの側面から見ても正解はない。人々の声を聞くことで生徒自身も葛藤し、立場を意識した考え方を持つようになりました。知ろうとすること。そして、問題を自分事として捉え、対話で解決方法を生む力が、これからの時代に必要な「学びに向かう力」であり、この学びの重要性を強く感じました。

ぼくたちに必要なのは生の声

[ 灘高等学校の生徒 ]

生の声を聞き、伝え、共有し、また学ぶということが、我々に求められる姿勢であると理解しました。多くの場合は、何らかのフィルターにかけられたものしか我々の耳に入ってきません。そういった中で、今回、様々な分野のヒューマンに直接お会いできたことは貴重な経験となりました。

高校で学ぶ意味を再認識

[ お茶の水女子大学附属高等学校の生徒 ]

社会には様々な立場の人がいて、様々な思いを持っていることを再認識しました。自分が普段いる高校という社会がいかに狭いかを実感し、社会問題を考える上で、今の自分にない多角的な視点が必要だと感じました。一方、高校で習ったことが直結している部分も多く、高校での学びの重要性も感じることができました。

震災の被害の大きさを決めるもの

[ 埼玉県立浦和第一女子高等学校の生徒 ]

再び震災が起きた時、福島で得た教訓を活かして行動できる人になりたい。もっと多くの人が3.11の事実と教訓を知り、それらを未来に活かせる人が増えれば、今後、震災が起きたとしても被害を軽減できるのではないか。震災の被害の大きさを決めるのは「天」ではなく「人」だと思った。

持続可能な社会の実現のために

[ 海城高等学校の生徒 ]

持続可能な社会づくりには、地域の自立が重要だと感じました。そのためには、地域内・各地域間のコミュニケーション・協働や自立した産業・特色を創ることが必要です。持続可能な社会づくりの第一歩は、それぞれが自分の生活する地域にしっかりと目を向けて、関心を持つことだと思いました。

福島から考える生き方

[ 埼玉県立不動岡高等学校の生徒 ]

ひとつの物事に対しても、見る立場が違えば、考え方も違う。大切なのは、答えを見つけることではなく「考えること」だと思いました。福島の事故だけではなく、世界中で答えのない問題はたくさん あります。そこから逃 げ ずに、話し合い、立ち向かう勇気がこれからの社会に必要だと実感しました。

企業等の人材育成

福島は日本の課題の縮図

[ 国家公務員総合職内定者研修の参加者(総務省) ]

研修を通して一番感じたことは、「福島は日本の課題の縮図であり、同時に、課題に挑戦していく最先端県」ということでした。福祉施設での労働力不足や、高齢化が進む過疎地域など、日本がまさに直面している普遍的な課題が福島の地で進行していました。同時に、現場でのお話を通じ、その課題への解決策というのは、復興のためのみならず、普遍的な課題を克服する可能性を秘めているということに気付きました。

行政官としての自分に問う

[ 国家公務員総合職内定者研修の参加者(国土交通省) ]

「行政がするべきことは何か?」「(行政は)現場を正しく理解し、誰のための施策なのかを明確にしているのか?」といった問いは、私なりに頭の中に刻み込んでいたつもりであったが、まだまだ私自身の中で理解しきれていないと感じた。今後行政官として働いていく際には、現場の声なき声を拾いに動き、ミクロ/マクロを横断して本当に行政がするべきことは何かと常に私自身に問い続けて行きたい。

社会課題の壁の厚み、その先のゴールへ

[ 国家公務員総合職内定者研修の参加者(環境省) ]

原発事故に関連した問題には、未解明かつ時間が経つことで状況が大きく変わる事項がたくさんあります。ゴールを見据えた政策が重要である一方、変化に柔軟に対応することも必要です。研修を通じ、様々な社会課題の壁の厚みを感じました。その厚みを少しでも薄くする粘り強さが自分にあるのか、そう自問自答した参加者は私だけではなかったと思います。

多角的にとらえる「現場」の姿

[ 国家公務員総合職内定者研修の参加者(法務省)]

現場に行きさえすれば福島の課題解決の糸口がつかめるのではないかと楽観的に考えていた。しかし実際に現場に行ってみると、そこにある現実は単純ではなく、重層的であった。「現場」と言っても、そこにある現実は多様であり、行政・住民・産業のように視点を変えるだけで「現場」の捉え方が大きく異なることが印象的だった。

若者のマインドを磨く旅

[ (株)本田技術研究所関連企業の人材育成研修の参加者 ]

今回の研修を通じて、自分の目や耳で生の情報や状況を確認することの重要性を改めて感じることができた。リスクマネジメントは重要とされているが、多くの企業内でまだまだ浸透していないのが現実。時間が取られる、面倒、厄介等のネガティブな印象を持たれているが、そうではなく、企業全体の利益につながるという視点が大切。また、復興への挑戦からは、挑戦するというマインドが薄れている若い世代に、挑戦することの意義や大切さを教える意味でも非常に学びの効果が高いと感じた。

世界を変えるのは少しの勇気

[ (株)本田技術研究所関連企業の人材育成研修の参加者]

ケーススタディを行う研修は多いが、非常にリアル感があり自分事化に繋がる。 特に、復興事業の立案、調整、実行等を素材としたケースは、ドラマのように場面が展開し、臨場感があり斬新で新鮮だった。復興への挑戦の過程からも、自社内と同じようなヒューマンプロセス上の問題や課題があり、適切なプロセスを踏む上での葛藤や工夫、決断等を学ぶことができ、非常に参考になった。「自分が少し勇気を持って行動すれば結果が大きく変わる」ことを実感し、組織における対話の重要性、個々の変化が組織変革に必要という気づきを得ることができた。

リスクとは何か。考え方で危機管理意識が変わる。

[ 日本経済団体連合会震災復興特別委員会の人材育成研修の参加者 ]

原発事故は、電力業界だけの問題ではない。どの業界や企業でも起こり得ること。「リスクに対する意識」「物事に絶対はない」「原点に立ち帰る勇気」など、あらゆる企業に生じ得る重大事故のリスクについての意識を学ぶことができた。あらゆる業種に親和性がある学びであるとともに、個人一人ひとりの意識の醸成にもつながる。個人一人ひとりの意識の変化が組織としてのリスクマネジメント強化につながると感じた。

社会を支える自分たちが考えるリスクとコスト

[ 日本経済団体連合会震災復興特別委員会の人材育成研修の参加者]

金融業界も電力業界も大きな設備やシステムで成り立つ「装置産業」。システムが止まる、機械が壊れる、バックアップも働かない・・・といったリスクに対して、コンティンジェンシープラン(緊急時対応計画)をどこまで想定し、どのように定めるかを掘り下げて考えることが重要。原子力発電だけでなく、社会において、様々なシステムを利用する消費者側もメリットだけでなく、重大事故が起こるリスクとコストをどこまで引き受けるのか等について考える必要があると感じた。

インバウンド

住民主体の理想の復興へ

[ 独立行政法人国際協力機構(JICA)の研修の参加者 ]

福島の人々は震災でたくさんのものを失った中でも、どのように立て直していくかを真剣に考えていた。地域の方々の話はどれも力強く、ふるさとを思う熱意に涙する参加者もみられるほどだった。 抽象的だった福島のイメージが、「あの町であの人が言っていたように」と、ツアーを通して具体的になっていくのを感じた。 福島の復興に関して、政府の力だけでなせるものではないと考えている。新しい世代の若い人々が一緒に復興に関わってこそ、住民主体の理想の復興のカタチができるのではないだろうか。

ピースとホープ。次世代に語り継ぐわたしたちの使命

[ 広島大学の研修の参加者(留学生)]

これからたくさんの国がエネルギーについて考えていく中で、エネルギーを使う我々が学ばなくてはいけないと思った。救いたくても救えなかった命、地域の人の強い思いなど、生の声を聞くことができ、原子力災害は二度と起きてはいけないと実感した。原爆投下の広島と原発事故の福島。状況は大きく異なるが、重要なことは、この事実を次世代に伝えていくこと。出来事だけではなく、地元の人たちの声や想いを、我々が伝承していかなければいけないと強く思った。